冷徹冷酷な極上イケメンは幼なじみを甘く激しく溺愛したい。
じゃあ、俺のこの想いは空音にはバレてるのか?
……いや、それはないな。だってさっき“幼なじみ”とはっきり口にしていた。
なんのためらいもなく幼なじみ、と。
確かに俺たちは幼なじみだけど俺は空音のことは幼なじみとは思っていない。
「貸して。俺が持つ」
「え?あ、ありがとう……」
はぁ、とため息をついて空音から飲み物の乗ったお盆をもらうと部屋の中にそそくさと入っていった。
どうせ空音は俺の事なんてなんとも思ってないんだろうな。男として……意識されてないんだろうな。
「そこのテーブルに置いておいて!クッション用意するから」
「悪いな」
部屋に入ると空音は慌ただしく部屋の奥に入っていく。
中学の頃とあまり変わってないな。
ぐるりと部屋を見渡し、ほぼ何も変わっていないことに安心した。
なんで安心するのかは分からない。
ただ、俺の知らない空音がいるとモヤモヤするから、変わってない方が安心するのだろう。