冷徹冷酷な極上イケメンは幼なじみを甘く激しく溺愛したい。
ここから1階まで往復しただけだよな……?
なんでそんなに息切れしてるんだ……?
「どうしてそんな慌ててる?俺は大丈夫だが」
「えっ、あっ……ちょっとね!あはは……。濡れたとこどこ?」
誤魔化すように笑うと、しゃがんで濡れたところを布巾で拭こうとする。
俺は避けようとその場から少し離れた。
その瞬間に、空音の長い髪の毛が俺の手に触れた。ふわっといい匂いがする。あれ、空音……シャンプー変えた?
「伊織?どうしたの?そんな固まって」
空音の髪の毛をちょん、とつまんでいると勢いよく顔をあげる。
いつもより至近距離にある空音の顔に今すぐキスしたい衝動に駆られた。ふわふわの柔らかい髪、小顔でぷっくりとした唇。守ってあげたくなるその笑顔。
どこをとっても可愛くて。
一瞬理性が飛びそうになった。
「なんでもない」
「そう?」
ドキドキとなる心臓を落ち着かそうと顔を逸らした。