冷徹冷酷な極上イケメンは幼なじみを甘く激しく溺愛したい。
「ほんとに?あんた、態度とか、言葉じゃ分かりにくいんだから、ちゃんと自分の気持ち、伝えなさいよ?」
……なんだ、それは。
「わかったから。先に帰るわ」
「あ、伊織!?」
俺は母さんから逃げるように家に入る。靴を脱ぎ捨て部屋に直行。
「あー、くそ。何やってんだ。俺は」
母さんの会話と空音にしてしまったことを思い出す。母さんには図星をつかれ、空音には男として意識されてなかった。
ショックだったとはいえ、さすがにやりすぎたな。
「空音……俺はいったいどうしたらいいんだ?」
部屋の窓から空音の部屋を覗き見る。
まだ明かりがついていて、空音は起きている。空音は今……何を考えているのだろうか。
「明日が楽しみだな」
俺のことを少しでも意識してくれたら俺は嬉しい。
この行動は、吉と出るか凶と出るか。明日が怖いやら楽しみやらで気持ちがぐちゃぐちゃなまま、夜を過ごしたのだった。