冷徹冷酷な極上イケメンは幼なじみを甘く激しく溺愛したい。
さっきまで瑠璃に気持ちを素直に言っていたから予測のしない伊織の登場にドキドキと心臓が暴れ出す。
「おい、空音?」
「あ、わ、私……飲み物買ってくるー!」
「空音!?」
伊織から向けられる視線に耐えられなくて慌てて教室を飛び出した。
クラスメイトから注目されたけどそんなことは気にしてらるないくらい頭の中は伊織のことでいっぱいだった。
どうして?
なんでこんなにドキドキするの。昨日のこと、意識しすぎなんだよ。
「私のバカー!」
誰もいない廊下で、私の叫び声が響き渡る。
はぁ、はぁと息切れがしたけど叫んだおかげで少しスッキリした。
「……ジュース買いに行きますか」
キョロキョロと当たりを見渡し、ぽつりとつぶやく。
飲み物を買ってくるって言って出てきたんだからお茶でも買っていかなきゃ伊織に怪しまれる。
あいつ、妙なところで鋭いんだから。