冷徹冷酷な極上イケメンは幼なじみを甘く激しく溺愛したい。

気持ちを切り替えて私は自販機に向かって歩き出した。



***


ーキーンコーンカーンコーン……。


本日最後の授業が終わり、ほっと胸を撫で下ろす。今日を無事に乗り切れたから良かった……。



「きりーつ。ありがとうございました!」



日直の号令とともにガタガタと席を立つクラスメイト。号令が終わると途端に教室が一気に騒がしくなる。



「ねぇ、今日はどこに行こうか」


「私今から部活なのー」



放課後どう過ごそうかとかそんな会話がチラホラと聞こえる。


羨ましいなと思いながら私も席をたち、黒板の文字を消そうと歩き出した時。



「空音。帰るぞ」



伊織に声をかけられてビクッと肩が揺れる。


驚いたとかそういうんじゃないけど……緊張して上手く伊織と目を合わせられない!


朝はなんとか誤魔化せたけど放課後のことは何も考えていなかった……。



「うぇ、あ、今日はちょっと遅くなるから……先に帰ってていい、よ?」
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