冷徹冷酷な極上イケメンは幼なじみを甘く激しく溺愛したい。

先生に用事があるなんてもちろん嘘だから、これからどう放課後を過ごそうかと考えていた。


今更教室に戻れないし……。


あー、もうっ!


自分が嫌になる!



「はぁ……」



ため息をつきながら廊下を歩いていると。


ーグイッ!



「きゃ!」



誰かに腕を思いっきり引っ張られた。その弾みで私はバランスを崩し、尻もちをつく。



「いたた……」



何が起こったのか分からず、おしりに痛みを感じながら、顔をあげる。


あれ、ここって……。



「あ、こいつじゃね?橘の幼なじみって」



えっ……。橘の幼なじみ……?


場所を確認するよりも先に後ろから人の声が聞こえた。今、伊織の苗字が聞こえたんだけど……まさか、ね……。



「きーてんの?橘の幼なじみの栗田空音サン」


「ひっ……!」


「ギャハハ!怯えてやんの」



突然目の前にギャルの顔があったので私は驚いて声を出してしまった。
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