冷徹冷酷な極上イケメンは幼なじみを甘く激しく溺愛したい。
今、なんて言った……?
「だからっ……だからそれが許せなくて……っ」
はぁはぁと息切れしながら私を睨む。私はその言葉を聞いていてもたってもいられなかった。
そんなことで……伊織に迷惑かけたの?
そんなことで……私を傷つけたの……?
「あのねぇ……」
「いい加減にしろっ!」
怒りがふつふつと湧いてきて怒鳴りつけようと口を開いた。だけどそれに被さるように伊織の声が響いた。
い、伊織……?
「ふざけるな!俺はお前らのものでもなんでもねぇんだよ!」
珍しく大きな声をあげる伊織にビクッと肩を揺らすギャル。私も正直、ここまで怒る伊織は初めて見た。
いつもだったらスルーするか私に愚痴るかで終わるのに、こんなに怒るなんて。
「これ以上俺の大切な空音を傷つけるな!わかったな!?」
ードキッ。
真剣な眼差しで、そう言ってくれた。
ただの幼なじみって言われたのに、“俺の大切な空音”って言われた……。