冷徹冷酷な極上イケメンは幼なじみを甘く激しく溺愛したい。
お前がほしい
【伊織side】
やってしまった……。
はぁ、と俺は廊下を歩きながらため息をつく。後ろには気まずそうな顔をした空音が歩いている。
その空気は、気まずいというより、重い沈黙が流れていた。
……いくら空音を助けるためだといっても校内放送で彼女宣言は自分でもやりすぎたと思っている。
でも、校内放送することは不思議と緊張とかなくて、ただ空音を守りたい一心でやっていた。気づいたら機材を動かしていて、口が勝手に動いていた。
ぎゅっと握る空音の手は暖かい。
俺は……この手を、空音を守りたかった。
「……なぁ、空音」
「は、はい!」
廊下を歩きながら、空音に話しかける。
この気まずい空気が嫌で、気持ちを切り替えようとしたけど……それがいけなかった。
俺は立ち止まり、空音の顔をじっと見つめる。
ドキドキと心臓がうるさい。
「い、伊織……?」