冷徹冷酷な極上イケメンは幼なじみを甘く激しく溺愛したい。

だってそこには……顔を赤く染めて、俺を見つめる空音がいたから。


その表情を見て、俺は無性に抱きしめたくなった。



「「キャー!」」



空音を抱きしめようと、腕を伸ばした時、廊下の端から女子の悲鳴が聞こえた。


その声に驚いて思わず腕を引っ込める。


なんだ……?



「出てきたよ!校内放送でカップル宣言したふたり!」


「えっ」


「噂には聞いてたけどとうとうカップルになったか〜!羨ましいな!」


「おめでとう!」



何事かと思い、振り返るとスマホを構えた生徒が俺たちを囲むようにして興味津々で見てくる。


しまった。


こうなることは予想していたのに何も対策を取らず、廊下を出てしまった。



「空音、行くぞ」


「あ、う、うん」



このまま突っ立っている訳にもいかず、とりあえず一時避難で空音をこの場から落ち着いた場所に連れ出すことにした。
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