冷徹冷酷な極上イケメンは幼なじみを甘く激しく溺愛したい。
伊織と手を繋ぐとかっ!
緊張して死にそうなんですけど……。
「あ?覚えてないのか?これくらいしないとすぐに偽装だってバレるぞ。ましてやお前は散々俺とのことを弁解してきたんだからな」
「うっ……それは……」
伊織に鋭いことを言われ、言葉が詰まる。
「ほら」
伊織の差し出された手を見ながらモタモタしているとぎゅっと握ってきた。
そのさり気ない手の繋ぎ方にキュンと胸が甘く響く。手を繋いだだけなのに心臓がすごくうるさい。
伊織は私の手を包み込むようにして強く、優しく握った。
「……な、なんか恥ずかしいね。伊織と手を繋ぐの、久しぶり……」
ドキドキを誤魔化そうと笑って伊織を見てみる。
だけどその表情を見て、私の顔は熱くなっていく。
だって……伊織の顔が……。
「い、伊織……顔、赤いよ……?」
「バカ。こっち見んな」