冷徹冷酷な極上イケメンは幼なじみを甘く激しく溺愛したい。
私に反論した伊織の声は今にも消えてしまいそうなほど小さかった。いつも余裕な伊織がこんなになるのははじめてで。
ちゃんと、私のことを思ってくれているんだと実感した。
伊織に、早く告白の返事しないとな……。
「伊織も照れたりするんだね。なんか意外」
「俺をなんだと思ってんだよ。好きなやつと手を繋ぐんだから、このくらい当たり前だろ?ま、俺はずっと空音と繋がっていたいがな」
「……なっ、そ、それわざわざ顔を近づけて言う!?」
サラリととんでもないことを言ってきたもんだから、思わず顔を思いっきり背けてしまった。
耳元で大好きな伊織の声が聞こえる。
心臓の音はドキドキを通り越してバクンバクンと激しく脈打っていた。
「ははっ。やっと空音が俺の事を意識してくれた。すげぇ嬉しい。……じゃ、学校行くか」
意識……してるよ。
伊織に告白されるずっと前から。