冷徹冷酷な極上イケメンは幼なじみを甘く激しく溺愛したい。
みんなに注目されるのはもちろんのこと、伊織からはぎゅっと握る手に力を込められたり、意味深なことを言ってきたり。
ドキドキしっぱなしの通学路だった。
そして、今は教室のドアの前。
学校に着いた頃はだいぶ周りが騒がしかったけど不思議と私は冷静で、あまり視線を気にせずに教室まで来れたんだけど……やっぱ教室に入るのは勇気いる!
「なんだ。今になって緊張してんのか?」
「うっ、だ、だってぇ……」
「安心しろ。教室はまだ安全だ。俺たちに注目して騒ぎは終わるだろう」
「いや、どういう意見だよ!」
その注目の視線が気になるんだよー……。
伊織は何を考えてそう言ってるのかなぁ!?
ダメだ。私と伊織の考え方が違いすぎて追いついていけないや。ここは大人しく教室に入ろう……。
そう思ってドアを開けようと手を伸ばした時。
「あっ……咲坂さん……」