冷徹冷酷な極上イケメンは幼なじみを甘く激しく溺愛したい。
偽装カップルとして対策を考えたとか伊織は言っていたけど今日はまだ登校中に手を繋いだだけでカップルらしいことはしていない。
それどころか休み時間とか、すぐに教室を出ていってしまい、会話をすることは無かった。
その度にモヤモヤして、落ち着かなかった。
こんなこと思うのもおかしいけど、隣に伊織がいないだけで寂しかった。
隣にいたらいたで嫌だと思ってしまうのに、なんでこんなに私の気持ちは矛盾してしまうのだろう。
「おい、空音。帰るぞ」
ひとりで帰り支度をしていると、隣から伊織の声が聞こえた。
それだけでドキッと心臓が跳ね上がる。
大好きな人の声を聞くだけで、心が騒がしい。
「あ、う、うん。ちょっと待って」
「わかった」
ドキドキしているのを誤魔化そうと、下を向きながらカバンに荷物を詰め込む。
すると、
「ねぇ、見てよ。あのカップル、昨日校内放送で告ってたよね?ホントだったんだ」