ひなたのわたあめ
綿名が手伝ってくれたお陰で、すぐにクラス全員のノートを集めることができた。
職員室に運びに行こうとすると、綿名はそれも手伝うと言った。
さすがに悪いと思って断ろうとすると、綿名は既に集めたノートの半分以上を持ってしまっていて
「もうこれ下ろす方が面倒くさいから、早く行こ!」
と、笑顔で言われてしまった。
そう言われたら断れなくて、私は教卓に残った全体の半分以下のノートを持って綿名と一緒に職員室に向かって歩き出した。
綿名はきっと、わざと私より多くのノートを持ってくれている。
こんな風に気遣ってくれるのは、ありがたいし、嬉しいし、なんだかくすぐったい気持ちになるのだけれど、どうしていつも私が困っていることに気付いて助けてくれるのか不思議だった。
「ねえ、綿名」