ポケットにあの日をしまって
1 君の名前
蒼司side 貸出しカード
図書室の窓越しに見上げる銀杏の木が黄色く色づいていた。
俺は読み終えた本の裏表紙を開いて、貸出しカードを確認した。
「小鳥遊」
俺の名前の上にある名前にハッとし、首をかしげる。
「たしかーーこの間、借りた本にもこいつの名前が」
思い返して1週間前に借りた「時空警察」の貸出しカードを確めた。
「やっぱり」
さらに1週間前に借りた本の貸出しカードも確める。
「これも」
5週間ぶんの本をさかのぼり、貸出しカードを確めた。
「小鳥遊」の名前が俺の上にあるのが偶然ではないことを確信した。
「へぇーーっ、なんかスゲーな」
思わず、口に出していた。
小鳥遊ーー小鳥遊茉莉。
おととし、入学式の日。
「あった、あった。俺の名前」
校舎3階、貼り出された掲示板の名簿を1枚ずつ確認して、誰もがはしゃいで各々の教室に入っていく。
俺は読み終えた本の裏表紙を開いて、貸出しカードを確認した。
「小鳥遊」
俺の名前の上にある名前にハッとし、首をかしげる。
「たしかーーこの間、借りた本にもこいつの名前が」
思い返して1週間前に借りた「時空警察」の貸出しカードを確めた。
「やっぱり」
さらに1週間前に借りた本の貸出しカードも確める。
「これも」
5週間ぶんの本をさかのぼり、貸出しカードを確めた。
「小鳥遊」の名前が俺の上にあるのが偶然ではないことを確信した。
「へぇーーっ、なんかスゲーな」
思わず、口に出していた。
小鳥遊ーー小鳥遊茉莉。
おととし、入学式の日。
「あった、あった。俺の名前」
校舎3階、貼り出された掲示板の名簿を1枚ずつ確認して、誰もがはしゃいで各々の教室に入っていく。