ポケットにあの日をしまって
キャプテンが「よし、１点だ」と叫んだ。

相手チームにボールが奪われないよう、ドリブルとパスを回し、チームが一丸となりアシストする。

俺が相手チームのディフェンダーをゴールサイドで交わした直後、パスが回ってきた。

ナイスパスだった。

俺の前に誰もいない。

ゴールまで１直線の道筋が見えた。

俺はゴールを狙い思い切り、ボールを蹴った。

ボールは綺麗な放物線を描いて、ゴールキーパーの頭上スレスレに越え、ネットを揺らした。

試合終了のホイッスルが鳴ったのは、その直後だった。

「OH ーー！！」

俺は両手を上げて叫び、走りこんできたキャプテンをバグし、さらに集まってくるチームメイトと肩を抱きあった。

「勝ったぞーー！！」

観覧席に向かって叫ぶと、小鳥遊と応援団も肩を寄せ合い歓声を上げていた。
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