2番ではダメですか?~腹黒御曹司は恋も仕事もトップじゃなきゃ満足しない~
一時間ほど走って着いたのは、タワーマンションだった。
玄関に入るとすぐにスーツ姿の男性が出てきて、部長が彼とひと言ふた言かわしただけで、中へと案内される。
エレベーターに乗り、部長は最上階である五十二階のボタンを押した。
「ええっと……」
「さっきのはここのフロントマン。
芸能人や大物政治家も住んでいるからな、ああいう取り次ぎがいるんだ」
壁に寄りかかり、階数表示を見たまま説明してくれるのはいいが、私の疑問はまったく解決していない。
ここがとんでもなくセレブマンションだっていうのはわかったけれど。
「こっちだ」
エレベーターはあっというまに最上階に着き、ドアが開く。
出て、部長の足で十歩ほど先にあるドアのインターフォンを彼は押した。
少しして、重そうにドアが開く。
その隙間から小さな女の子が顔を覗かせた。
「じゅんちゃん!」
「こら、響希!」
すぐに後ろから女性が追いついてきて、さらにドアを開ける。
「こんにちは、ねえさん」
「ようこそ、準くん」
「じゅんちゃん!
だっこ!
だっこ!」
「はいはい」
挨拶もそこそこに部長は女の子にせがまれ、抱き上げた。
「どうぞ、あがって」
「お、おじゃま、シマース」
私ごときがセレブなお宅にあがるなんて緊張する。
案内されてリビングに向かいながら前を歩くふたりを見る。
さっき、ふたりともにこやかに挨拶を交わしていたけれど、部長のほうは演技しているみたいだった。
なんでだろう?
玄関に入るとすぐにスーツ姿の男性が出てきて、部長が彼とひと言ふた言かわしただけで、中へと案内される。
エレベーターに乗り、部長は最上階である五十二階のボタンを押した。
「ええっと……」
「さっきのはここのフロントマン。
芸能人や大物政治家も住んでいるからな、ああいう取り次ぎがいるんだ」
壁に寄りかかり、階数表示を見たまま説明してくれるのはいいが、私の疑問はまったく解決していない。
ここがとんでもなくセレブマンションだっていうのはわかったけれど。
「こっちだ」
エレベーターはあっというまに最上階に着き、ドアが開く。
出て、部長の足で十歩ほど先にあるドアのインターフォンを彼は押した。
少しして、重そうにドアが開く。
その隙間から小さな女の子が顔を覗かせた。
「じゅんちゃん!」
「こら、響希!」
すぐに後ろから女性が追いついてきて、さらにドアを開ける。
「こんにちは、ねえさん」
「ようこそ、準くん」
「じゅんちゃん!
だっこ!
だっこ!」
「はいはい」
挨拶もそこそこに部長は女の子にせがまれ、抱き上げた。
「どうぞ、あがって」
「お、おじゃま、シマース」
私ごときがセレブなお宅にあがるなんて緊張する。
案内されてリビングに向かいながら前を歩くふたりを見る。
さっき、ふたりともにこやかに挨拶を交わしていたけれど、部長のほうは演技しているみたいだった。
なんでだろう?