2番ではダメですか?~腹黒御曹司は恋も仕事もトップじゃなきゃ満足しない~
「えっ、全然違う……!」

鏡の中の自分は今までと同じようなメイクなのに、ワントーン表情が明るく見えた。
健康的で、可愛くなった気さえする。

「驚いた?
基礎をちゃんとやって、ちょっとメイクするだけでこれだけ違うのよ」

うんうんと首がもげる勢いで頷いた。
今まで自分がいかに、ダメメイクをしていたのかよくわかる。

「それに明日美ちゃん、元がいいから磨き甲斐があるわー。
『化粧しないほうが可愛いなら、ちゃんとメイクしたらどれだけ可愛いんですかね?』なんて準くんがデレデレ……」

そこまで言ってなにかに気づいたのか、杏華さんは急に話をやめた。

「……今のは聞かなかったことにしてね?」

「……ハイ」

唇に人差し指を当てて、悪戯っぽく言われたらハイとしか言えなかった。

引き続き、杏華さんにメイクを教えてもらう。
このあいだのプレゼンのような、勝負のとき用。
一旦、部長が作ってくれたお昼を挟んで、部長の実家へ行くようなときみたいな、シックで落ち着いたメイク。
これからはそういう場所にも行くだろうしと、パーティ用。
最後は……。
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