2番ではダメですか?~腹黒御曹司は恋も仕事もトップじゃなきゃ満足しない~
第二章 投資の理由
昨日と同じアラームの音で目が覚めた。

「サクラ、ストップ」

隣から聞こえてきた声で、アラームが止まる。
静かになって二度寝を決め込もうとしたものの。

「おら、起きろ!」

……無情にも富士野部長から布団を引っぺがされた。

「……起きろって何時ですか……?」

眠い目を擦りつつ携帯で時間を確認する。

「まだ五時じゃないですか……」

いくらなんでも早すぎる。
とはいえ昨晩は「俺はもう寝るからお前も寝ろ」って強制的に十時にベッドへ入れられたので、睡眠は足りているんだけれど。
いや、なぜか同じベッドに連れ込まれたので落ち着かず、ぐっすり眠れなかったというのはある。

「早く起きてできた時間で勉強するに決まってんだろうが」

「あいたっ」

その長い指でデコピンされ、痛む額を押さえる。
しかしそれで、完全に目が覚めた。
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