2番ではダメですか?~腹黒御曹司は恋も仕事もトップじゃなきゃ満足しない~
黙々と渡された本を読み、部長が作ってくれた朝食を食べて出勤の準備をする。
「服はこれな」
昨日買った服の中から部長が選んで渡してくる。
少しだけ持ってきた服は、ここに来て速攻で捨てられた。
『最高の女にこんなダサい服はいらない』
それに対して反論できたかといえば、自分に服のセンスがないのはわかっていたのでなにも言えなかった。
「その、化粧をしないほうがマシなメイク、どうにかしないとな」
「うっ」
自分でも自覚があるだけに、部長の言葉がぐさりと胸に突き刺さる。
姉の結婚式は美容院でそこまで全部してもらったのでよかったが、私はメイクが苦手なのだ。
しかも裕司さんの「化粧をしなくても可愛い」との言葉を真に受けて社会人になるまでノーメイクだったとなれば、救いようがなかった。
部長の車で一緒に出勤する。
会社で目立たないためか、出勤は国内メーカーの白のセダンだった。
「眼鏡、変えるんですね」
「仕事なんですから、当たり前ですよね」
部長の上げた眼鏡が得意げに光る。
運転する彼の眼鏡は、会社で見慣れた銀縁オーバルになっていた。
ついでに、言葉遣いまで家とは変わっている。
眼鏡にオンオフのスイッチでも付いているんだろうか。
「服はこれな」
昨日買った服の中から部長が選んで渡してくる。
少しだけ持ってきた服は、ここに来て速攻で捨てられた。
『最高の女にこんなダサい服はいらない』
それに対して反論できたかといえば、自分に服のセンスがないのはわかっていたのでなにも言えなかった。
「その、化粧をしないほうがマシなメイク、どうにかしないとな」
「うっ」
自分でも自覚があるだけに、部長の言葉がぐさりと胸に突き刺さる。
姉の結婚式は美容院でそこまで全部してもらったのでよかったが、私はメイクが苦手なのだ。
しかも裕司さんの「化粧をしなくても可愛い」との言葉を真に受けて社会人になるまでノーメイクだったとなれば、救いようがなかった。
部長の車で一緒に出勤する。
会社で目立たないためか、出勤は国内メーカーの白のセダンだった。
「眼鏡、変えるんですね」
「仕事なんですから、当たり前ですよね」
部長の上げた眼鏡が得意げに光る。
運転する彼の眼鏡は、会社で見慣れた銀縁オーバルになっていた。
ついでに、言葉遣いまで家とは変わっている。
眼鏡にオンオフのスイッチでも付いているんだろうか。