2番ではダメですか?~腹黒御曹司は恋も仕事もトップじゃなきゃ満足しない~
「紀藤さん、これ発注頼む」

「わかりました」

営業社員から注文書を受け取り、発注をかけていく。
営業事務の私の仕事は、伝票切ったり発注かけたりという雑用が主な仕事だ。
入社二年も経てばすっかり慣れた。
上昇志向なんてない私は、このままそつなく仕事をこなし、生きていくのに少し余裕のあるお給料さえもらえればいいなんて考えていた。

「そういえば社内コンペの話聞いたか」

「誰でも参加OKなんだろ」

少し離れた場所で話している男性社員の声が聞こえる。
職場では今日は発表された、新商品の社内コンペの話で持ちきりだった。
採用されたら金一封出るとなると、誰もが浮ついてしまう。
そういう私はコンペに関心などなく、いつもどおり仕事をこなしていた。
< 34 / 149 >

この作品をシェア

pagetop