2番ではダメですか?~腹黒御曹司は恋も仕事もトップじゃなきゃ満足しない~
その後も食べ歩きは続き。

「……うぷっ。
もー、無理です……」

ソフトクリームを皮切りに、みたらし団子、クレープ、ベリーソーダとスイーツ類に、唐揚げ、鶏皮串、焼きたて棒付きちくわとくれば、お腹もいっぱいになるだろう。

「昼食は鰻の予定だったんだがな」

「うっ」

鰻は、食べたい。
でも、このお腹ではもう、コーヒーぐらいしか入りそうにない……。

「とりあえず散歩するか」

「そうですね」

少し歩けばお腹もこなれて、鰻が入るようになるかも。
それにしても。

隣を歩く部長をちらり。
私と同じだけ食べて余裕なんて、この人のお腹はどうなっているんだ?
いや、でも、これだけ身体の大きさが違えば、胃の容量も違うんだろうな。
部長と並ぶと私なんて肩にも届かない。
なにを食べたらこんなに大きくなるんだろう?

「ん?」

視線に気づいたのか、部長が私を見下ろす。
眼鏡の下で目尻を下げたその顔は優しそうで、心臓がとくんと甘く鼓動した。
いやいや、きっとあれに意味はないし。
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