2番ではダメですか?~腹黒御曹司は恋も仕事もトップじゃなきゃ満足しない~
部長は得意げだけれど、なんでだ?
しかし、彼女を納得させるために適当に言っているのはわかっているが、そこまで褒められると少しいい気になった。

「バ、バカにして!」

みるみる彼女が、真っ赤になっていく。

「私は絶対に、準一朗を諦めないんだからー!」

負け犬の遠吠えのごとく叫んだあと、彼女はそのまま去っていった。
ふたりきりになり、まるで嵐が過ぎ去ったあとのように急に静かになる。

「……今日は出前を取るか」

「そう、ですね」

早速、携帯を操作しはじめた部長に同意する。
彼女がいたのは短い時間だったが怒濤の展開で、ぐったりと疲れていた。
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