2番ではダメですか?~腹黒御曹司は恋も仕事もトップじゃなきゃ満足しない~
「そんなに先程の女性との結婚は嫌ですか?」
「当たり前だろ。
『今すぐそんな二流企業を辞めて、パパの会社に入って。
私の夫に三流企業の部長なんてふさわしくないわ』
とか言われてみろよ」
本当に忌ま忌ましげに部長が吐き捨てる。
「ああ……」
それは私でもお断りしたいかも。
しかも、途中から三流企業に格下げされているし。
「断ったっていうのにしつこくメッセージ送ってきたり電話かけてきたりするからブロックしたっていうのに、とうとう押しかけてくるんだもんな。
勘弁してくれ」
はぁーっと苦悩のこいため息が部長の口から落ちていく。
それは大変そうだが、私になにかできることがあるわけではない。
なんて他人事のように思っていたのだけれど。
そのタイミングでインターフォンが鳴り、頼んでいたピザが届く。
「わるいな、せっかくの週末なのに宅配ピザで」
「え?
私、ピザ好きなんで全然」
富士野部長が頼んでくれたのは、美味しいけれど高いので私はたまにしか頼まない、宅配ピザ店のものだった。
しかも、大好物のエビマヨと、バジルのパスタ。
それにワインまでついてなんの文句があるだろう?
「ほんとに紀藤は可愛いな」
部長の手が伸びてきて、くしゃくしゃと柔らかく私の頭を撫でる。
そろーっと顔を上げると部長は眼鏡の下で目尻を下げ、うっとりと私を見ていた。
おかげで、顔が熱くなっていく。
「当たり前だろ。
『今すぐそんな二流企業を辞めて、パパの会社に入って。
私の夫に三流企業の部長なんてふさわしくないわ』
とか言われてみろよ」
本当に忌ま忌ましげに部長が吐き捨てる。
「ああ……」
それは私でもお断りしたいかも。
しかも、途中から三流企業に格下げされているし。
「断ったっていうのにしつこくメッセージ送ってきたり電話かけてきたりするからブロックしたっていうのに、とうとう押しかけてくるんだもんな。
勘弁してくれ」
はぁーっと苦悩のこいため息が部長の口から落ちていく。
それは大変そうだが、私になにかできることがあるわけではない。
なんて他人事のように思っていたのだけれど。
そのタイミングでインターフォンが鳴り、頼んでいたピザが届く。
「わるいな、せっかくの週末なのに宅配ピザで」
「え?
私、ピザ好きなんで全然」
富士野部長が頼んでくれたのは、美味しいけれど高いので私はたまにしか頼まない、宅配ピザ店のものだった。
しかも、大好物のエビマヨと、バジルのパスタ。
それにワインまでついてなんの文句があるだろう?
「ほんとに紀藤は可愛いな」
部長の手が伸びてきて、くしゃくしゃと柔らかく私の頭を撫でる。
そろーっと顔を上げると部長は眼鏡の下で目尻を下げ、うっとりと私を見ていた。
おかげで、顔が熱くなっていく。