2番ではダメですか?~腹黒御曹司は恋も仕事もトップじゃなきゃ満足しない~
メニューを受け取り、カシスソーダとサラダを頼んだ。

「今日はなにかあったんですか?」

これはなにか私を心配して聞いているのかと一瞬思ったが、ただ単にドレス姿だからとすぐに気づいた。

「姉の結婚式、で」

「そうですか。
それはおめでとうございます」

「ありがとうございます」

祝いの言葉を、頭を下げて受ける。
そのタイミングで頼んだお酒が出てきた。
一口飲んで、喉を潤す。

「富士野部長こそ休日なのにスーツなんて、お仕事だったんですか」

私は飲料メーカーに勤めている。
ルートセールスなら土日も仕事だが、営業部なので基本カレンダーどおりの休みだ。
まあ、営業社員はそうはいかないみたいだけれど。

「……まあ、ね」

歯切れの悪い返事はなんとなく誤魔化されたように感じたが、気のせいだろうか。

適当に話しながら飲んでサラダを摘まむ。

「そういえば眼鏡、違うんですね」
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