2番ではダメですか?~腹黒御曹司は恋も仕事もトップじゃなきゃ満足しない~
不満げに部長が、自身のグラスにワインを注ぐ。

「それは……」

部長と私が結婚……?
そう考えると気分が高揚していくのはなんでだろう?
私、富士野部長と結婚したいとか思っている?

「……嫌ではないです、けど」

会社での優しいのは演技で、プライベートの俺様なのが地なのはもう知っている。
でも俺様な部長は私を気遣ってくれるし、優しい。
たまに、ときめいたりもするから、もしかしたら部長を好きになりはじめているのかもしれない。
けれど、部長は?

「けど、なんだ?」

じっとレンズの向こうから、琥珀のように綺麗な瞳が私を見ている。
なぜかそれに、ごくりと唾を飲み込んだ。

「反対に聞きますけど。
富士野部長は結婚したいほど私が好き、ですか」

視線を逸らさず、真っ直ぐに部長の目を見る。
緊張しているのか、どくん、どくん、と心臓が大きく鼓動した。

「そうだな。
……秘密、だ」
< 61 / 149 >

この作品をシェア

pagetop