2番ではダメですか?~腹黒御曹司は恋も仕事もトップじゃなきゃ満足しない~
「まあ座りなさい。
そちらのお嬢さんも」

「あっ、はい!」

傍観していたところにお父さんから声をかけられ、弾かれたように返事をする。

「準ちゃんが来るっていうから、ケーキを焼いたの。
ちょうど焼き上がったからちょっと待っててねー」

そう言ってお母さんは奥へと消えていった。

「……ああ見えて母は、来年還暦なんだ」

「ええーっ!」

勧められたソファーに座る際、こそっと部長から耳打ちされて思わず大きな声が出る。

「……失礼しました」

けれどすぐにあまりにも失礼だったと気づき、顔から火を噴いた。
ううっ、できるなら今すぐ穴を掘って埋まりたい……。
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