2番ではダメですか?~腹黒御曹司は恋も仕事もトップじゃなきゃ満足しない~
第四章 ......今は
富士野部長のご両親に挨拶した翌週は、コンペのプレゼンだった。
お昼休み、最終確認と壮行会だと、部長は私をランチに連れていってくれた。

「ううっ、緊張する……」

よく考えなくてもプレゼンなんて、入社以来初めてなのだ。
しかも今まで、大学のゼミの発表くらいしかしたことがない。

「大丈夫でしょう。
私がこれだけ指導したんですから」

「うっ」

会社近くだからか部長は対外モードだ。
言葉遣いは丁寧だが、言外に部長が圧をかけてくる。
これで不採用とかになったら……ううん、考えない。

「……頑張り、マス」

「はい、頑張ってください」

銀縁オーバルの向こうで、部長がにっこりと笑う。
それがなぜか、物足りないと思った。
いやいや、私はドMじゃないし。
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