2番ではダメですか?~腹黒御曹司は恋も仕事もトップじゃなきゃ満足しない~
お昼休み終わってすぐが、私の順番だった。

「落ち着け……。
落ち着いてやれば、大丈夫なはずだから……」

一次審査を通ってから富士野部長の指導の下、資格試験と並行して資料作りや練習をした。
あんなにしごかれ……もとい。
熱心に指導してくれたんだ、絶対に大丈夫。
それにあのキスで怒りマックスになったおかげか、緊張は解けていた。

「はぁーっ」

一度深呼吸し、ドアを開ける。

「失礼します!」

中に入ると同時に集まった視線で一瞬怯みそうになったが、落ち着いて所定の位置に立つ。
目のあった富士野部長が小さく頷き、私も頷き返す。

「紀藤明日美です。
よろしくお願いします」

こうして、私の試練が始まった。
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