2番ではダメですか?~腹黒御曹司は恋も仕事もトップじゃなきゃ満足しない~
「なんだ、先に食べなかったのか」
飲み物の準備を済ませたところで、部長が着替えてダイニングへ来た。
「少しくらい待ちますよ」
いまさら五分くらい、遅くなったところで別にかまわない。
笑って、椅子に座る。
部長もテーブルに着いて、一緒に食事をした。
「その、富士野部長?
さっきの、〝惚れ直した〟って、どういう意味ですか?」
はっきりさせておかなければ、今日は眠れそうにない。
「んー、内緒」
唇に人差し指を当て、悪戯っぽく部長は片目をつぶった。
「内緒って、ズルいです」
少しだけ頬を膨らませ、ふて腐れてみせる。
「でも、今日の明日美は惚れるくらい、格好よかったのは間違いないからな」
眩しいものでも見るかのように、眼鏡の向こうで部長の目が細くなった。
こんなに褒められて、居心地が悪い。
でもこれは嫌なんかじゃなくて、嬉しくて落ち着かないからだ。
――しかし。
「……やっぱり、ズルいです」
こんなに私の心を掻き乱しておいて、自分の気持ちは内緒にするところ。
飲み物の準備を済ませたところで、部長が着替えてダイニングへ来た。
「少しくらい待ちますよ」
いまさら五分くらい、遅くなったところで別にかまわない。
笑って、椅子に座る。
部長もテーブルに着いて、一緒に食事をした。
「その、富士野部長?
さっきの、〝惚れ直した〟って、どういう意味ですか?」
はっきりさせておかなければ、今日は眠れそうにない。
「んー、内緒」
唇に人差し指を当て、悪戯っぽく部長は片目をつぶった。
「内緒って、ズルいです」
少しだけ頬を膨らませ、ふて腐れてみせる。
「でも、今日の明日美は惚れるくらい、格好よかったのは間違いないからな」
眩しいものでも見るかのように、眼鏡の向こうで部長の目が細くなった。
こんなに褒められて、居心地が悪い。
でもこれは嫌なんかじゃなくて、嬉しくて落ち着かないからだ。
――しかし。
「……やっぱり、ズルいです」
こんなに私の心を掻き乱しておいて、自分の気持ちは内緒にするところ。