2番ではダメですか?~腹黒御曹司は恋も仕事もトップじゃなきゃ満足しない~
「やったな!」

家に帰った途端、部長から抱き締められた。

「言っただろ、絶対に明日美の企画が採用だって」

今日も上機嫌に、私の背中をバンバン叩いてくる。

「嬉しいけど、痛いです……」

「あ……わるい」

さすがに興奮しすぎだと気づいたのか、バツが悪そうに部長は私から離れた。

「これから開発部や商品部との打ち合わせで忙しくなると思うが、心配するな。
俺がちゃんとフォローしてやるからな」

それでも嬉しくて堪らないのか、部長がわしゃわしゃと乱雑に私の髪を撫で回してくる。

「はい、よろしくお願いします!」

それが、悪くないなと思っていた。
< 93 / 149 >

この作品をシェア

pagetop