2番ではダメですか?~腹黒御曹司は恋も仕事もトップじゃなきゃ満足しない~
「俺も風呂入って寝るかなー」

「私は先に寝ます、おやすみなさい」

部長は浴室へ、私は寝室へと別れて向かう。
もそもそと先にベッドに潜り込み、タブレットで読書する。
少しして眠くなってきたので、目を閉じた。
……いつか。
そのときが来たら部長に私の気持ちを伝えよう。
部長も同じ気持ちになっていたらいいな……。

「もう、眠ったのか?」

うとうととしていたら部長の声が聞こえてきた。
けれど眠りへの坂道を転がり落ち始めていて、もう瞼は開かない。

「今日はごめんな」

枕元に座った彼の手が、そっと私の髪を撫でる。

「俺は明日美が……」

その先はもうほとんど眠っていて、聞き取れなかった。
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