結婚契約書に延長の条文はありませんが~御曹司は契約妻を引き留めたい~
一週間待った。彼女からは連絡がない。いつまで待てば適切なのだろう。
焦りばかりが募り、ついに我慢できず彼女の叔父の家を訪れた。
来瀬雅英は権威に弱く傲慢で利己主義な人間だった。似た者夫婦と言えば聞こえはいいが、その妻も派手好きなブルジョワ好きの俗物だった。
彼らのような人間は美味しい餌をぶら下げやればすぐに尻尾を振る。
さて、娘の花純はと言えば、本当に彼女が見合いをすっぽかしてくれて良かったとしか言いようがない。
外堀を埋め彼女を逃げられないよう追い込む。
祖父たちも香津美のことを気に入ってくれた。気取らず思いやりがあり、こちらが手を出すと赤くなるのも可愛いい。
ただ不満は彼女がこの状況に流されていることにいつか気づいて、抵抗しないだろうかと言うこと。
両家顔合わせの日、トラブルが起こり秘書から電話が入った。普段なら仕事が楽しくて仕方がなかったが、今回ばかりは空気の読めない呼び出しに腹が立った。
トラブルに対処して途中で彼女を放っておいたことを詫びるため電話をした。
彼女の電話の向こうで車やバイクの走る音や、人の声が聞こえる。どうやらまだ外にいるらしい。
そこに交じる男の声。
誰だ!?
迎えに行くと言うのを断られ、それでも気が気じゃなくなり、彼女の部屋を訪れた。
すっかり寝る支度をして家に一人でいたのを見て安堵する。
男といたとしても、ここに招き入れるほどの男ではない。
自分との結婚話が進んでいるなら、尚更彼女はそんな不誠実なことをする人間でない。
しかし安堵から一転、今度は自分が彼女に対して制御できなくなった。
この熱を鎮めるために、彼女に迫った。戸惑いながらも受入れてくれ、彼女の中に身を埋めた瞬間、これまで味わったことのない快感と幸福感を得た。
披露宴や結婚式を彼女は望んではいなかった。
仕方がない。彼女には期間限定の契約結婚だと言って承諾してもらった。
そんな結婚で式や披露宴など挙げたくはないだろう。
それに、彼女との結婚を一分でも一秒でも早く実現させたかった。
しかし、彼女が花嫁衣装を着た姿も見てみたい。
祖母たちの薦めで写真スタジオで写真だけは撮った。
カメラマンに笑顔でと言われ、ニヤつく顔を必死で堪えた。
俺の花嫁。
香津美は眩しいほどに美しかった。
結婚生活はうまく行っていたと、自分では思う。
彼女が望まなければ抱かないとは約束していたが、彼女は応えてくれた。
初めてでぎこちなかった彼女の体は、回を重ねることに綻び、花開く。
次第に俺の形を覚え、俺を内に抱きとめてくれる彼女の温かさと妖艶さに、俺は身も心も溺れていった。
どんなに仕事で疲れて帰っても、香津美の待つ家に帰れる。彼女が俺を迎えてくれる。それだけで、嬉しかった。
だが、この結婚には期限がある。
いずれ来るだろう契約の終了を、彼女はどう思っているのだろう。
そんな時、秘書の大原が気になることを言ってきた。
彼女は専務取締役に就任してから秘書に就いた。
彼女は秘書を勤めるのは初めてだったが、事務能力と接客態度を認めていた。しかしまわりは彼女を美人秘書だと言う。
確かにそうかも知れないが、だからどうだと言うのだ。
俺は香津美がいれば他の女性は、仕事が関わらなければ、付き合うつもりはない。
彼女が、街で香津美らしき人間が男性と仲良く歩いているのを見たという。
それが彼女の従弟だと。
大原弘毅。
彼のことは覚えている。
香津美の友人の夫の友人。
俺が香津美と出会った頃から、彼女の周りを彷徨くようになった。
その友人の結婚式で、彼女と二次会の幹事を共に勤めた。それだけの男。
だが、香津美にはそうでも、男は違う気持ちを持っているのは、同じ匂いを感じてわかった。
式には呼ばれなかった俺は、二次会が終わる頃に、彼女を迎えに行った。
その時既に香津美は俺と婚姻届の提出を済ませ、篝 香津美になってはいたが、あの男はまだ諦めていないようだった。
無駄な望みは抱くな。
そんな思いで彼を睨む。
香津美は渡さない。
彼女は彼の気持ちには気づいていないらしく、迎えに来た俺を見て恥ずかしそうに笑った。
美しく優しく賢い香津美。
抱くほどに、俺は彼女に溺れていった。
焦りばかりが募り、ついに我慢できず彼女の叔父の家を訪れた。
来瀬雅英は権威に弱く傲慢で利己主義な人間だった。似た者夫婦と言えば聞こえはいいが、その妻も派手好きなブルジョワ好きの俗物だった。
彼らのような人間は美味しい餌をぶら下げやればすぐに尻尾を振る。
さて、娘の花純はと言えば、本当に彼女が見合いをすっぽかしてくれて良かったとしか言いようがない。
外堀を埋め彼女を逃げられないよう追い込む。
祖父たちも香津美のことを気に入ってくれた。気取らず思いやりがあり、こちらが手を出すと赤くなるのも可愛いい。
ただ不満は彼女がこの状況に流されていることにいつか気づいて、抵抗しないだろうかと言うこと。
両家顔合わせの日、トラブルが起こり秘書から電話が入った。普段なら仕事が楽しくて仕方がなかったが、今回ばかりは空気の読めない呼び出しに腹が立った。
トラブルに対処して途中で彼女を放っておいたことを詫びるため電話をした。
彼女の電話の向こうで車やバイクの走る音や、人の声が聞こえる。どうやらまだ外にいるらしい。
そこに交じる男の声。
誰だ!?
迎えに行くと言うのを断られ、それでも気が気じゃなくなり、彼女の部屋を訪れた。
すっかり寝る支度をして家に一人でいたのを見て安堵する。
男といたとしても、ここに招き入れるほどの男ではない。
自分との結婚話が進んでいるなら、尚更彼女はそんな不誠実なことをする人間でない。
しかし安堵から一転、今度は自分が彼女に対して制御できなくなった。
この熱を鎮めるために、彼女に迫った。戸惑いながらも受入れてくれ、彼女の中に身を埋めた瞬間、これまで味わったことのない快感と幸福感を得た。
披露宴や結婚式を彼女は望んではいなかった。
仕方がない。彼女には期間限定の契約結婚だと言って承諾してもらった。
そんな結婚で式や披露宴など挙げたくはないだろう。
それに、彼女との結婚を一分でも一秒でも早く実現させたかった。
しかし、彼女が花嫁衣装を着た姿も見てみたい。
祖母たちの薦めで写真スタジオで写真だけは撮った。
カメラマンに笑顔でと言われ、ニヤつく顔を必死で堪えた。
俺の花嫁。
香津美は眩しいほどに美しかった。
結婚生活はうまく行っていたと、自分では思う。
彼女が望まなければ抱かないとは約束していたが、彼女は応えてくれた。
初めてでぎこちなかった彼女の体は、回を重ねることに綻び、花開く。
次第に俺の形を覚え、俺を内に抱きとめてくれる彼女の温かさと妖艶さに、俺は身も心も溺れていった。
どんなに仕事で疲れて帰っても、香津美の待つ家に帰れる。彼女が俺を迎えてくれる。それだけで、嬉しかった。
だが、この結婚には期限がある。
いずれ来るだろう契約の終了を、彼女はどう思っているのだろう。
そんな時、秘書の大原が気になることを言ってきた。
彼女は専務取締役に就任してから秘書に就いた。
彼女は秘書を勤めるのは初めてだったが、事務能力と接客態度を認めていた。しかしまわりは彼女を美人秘書だと言う。
確かにそうかも知れないが、だからどうだと言うのだ。
俺は香津美がいれば他の女性は、仕事が関わらなければ、付き合うつもりはない。
彼女が、街で香津美らしき人間が男性と仲良く歩いているのを見たという。
それが彼女の従弟だと。
大原弘毅。
彼のことは覚えている。
香津美の友人の夫の友人。
俺が香津美と出会った頃から、彼女の周りを彷徨くようになった。
その友人の結婚式で、彼女と二次会の幹事を共に勤めた。それだけの男。
だが、香津美にはそうでも、男は違う気持ちを持っているのは、同じ匂いを感じてわかった。
式には呼ばれなかった俺は、二次会が終わる頃に、彼女を迎えに行った。
その時既に香津美は俺と婚姻届の提出を済ませ、篝 香津美になってはいたが、あの男はまだ諦めていないようだった。
無駄な望みは抱くな。
そんな思いで彼を睨む。
香津美は渡さない。
彼女は彼の気持ちには気づいていないらしく、迎えに来た俺を見て恥ずかしそうに笑った。
美しく優しく賢い香津美。
抱くほどに、俺は彼女に溺れていった。