甘い災厄
今日、ぼくは珍しく早起きした。
まつりは一度寝るとなかなか起きないので、これはなんとかしなければと、昨日寝るときから気をつけていたのだ。
起き上がると、午前6時。パジャマを脱ぎながらも、壁際にある鏡で、身体中の確認。
よし、変な痕はない。
でも一応今日は長袖を着よう。
あいつ、よく寝ぼけてぼくを食べようとしてるから……いつどこに痣やら痕ができるか、わかったものじゃないので、一安心。
軽くストレッチをして、それから、昨日の夜を思い出す。
高校生になり、そして『館』から帰ってからというもの、ぼくらの関係は微妙に変化した。
と言っても、ほとんど変わらないのだが──
夜、ときどき、一緒のベッドで寝ている。
というか、まつりが勝手に潜り込んで来てしまうようになった。