消えないもの
ねぇ春香。

君は僕を恨んでるかな。

君は今何しているのかな。

君は笑っているのかな?

それとも泣いているのかな

笑っているといいなって思うけど
きっと君は泣いているんだろうな

分厚く広がる雨雲に

辺り一面に広がる景色に

絶望していたりするんだろうな。

朝を嫌って夜に怯えているのかな。

それでも大丈夫だよ。

分厚く広がる雨雲は青空を隠しているだけで

怖いほどに綺麗な雪景色は春の匂いを
隠しているだけ。

例え雨が降ってもその後は手を伸ばしたくなるほどに綺麗な青空に虹がかかり

不気味な雪はいずれ溶けて春が咲くんだ。

眠れなくても夜は明けて
どうしようもなく朝が来て

凍えそうな寒い冬でさえも
春はやってくる。

寒くて凍えそうな冬が

陽気な暖かい春の光を焦がれ

うだるような夏を秋の寂しさで包み込む。

寒さが暖かさを寂しさが暑さを求める。

裏側の存在。
正反対の僕達。

もう君の近くにはいてあげられないけれど

君と過ごす日々はもうやって来ないけれど

君との過ごした年月が消えたわけではないから。

例え病に侵されても消えて無くなったりなんてしないから。

君の見えてない日々にも
僕の日々はきっとあって

君から見えない毎日もきっとあって
僕は君を想い生きているから。

消えないものがある事を知っていて欲しい。

それは君の隣にもあるから。

それがどうかきっと君を助けてくれますように

長い夜の果てに光があって
寒くて凍えそうな夜を乗り切り
手にする輝きはとても美しいはずだから。

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