【完結】捨てられた男爵令嬢は騎士を目指す2〜従騎士になったら王子殿下がめちゃくちゃ甘いんですが?
王城の大庭園はお城の正面にあり、稀代の造園家が国王陛下のご要望を取り入れてデザインされている。
通常屋敷やお城の庭園は碁盤目状に道が引かれその間にガーデンが造られるけれども、ゼイレームのお城ではあくまで自然が大切にされ、元あった小道を活用している。
とはいえやはり武闘派の国王陛下だけあり、広めのスペースで芝を敷いた馬場を造られたりしていらして…。
王妃様の趣味を取り入れた薔薇のアーチ等の可愛らしい空間もあるけれども、大きな池をはじめとして自然の森や野原に近い印象を受ける。
広い芝の馬場では、簡単ながら競馬や馬上槍試合も度々行われていた。
そのスペースに、今日のゲストの方々が勢揃いされている。
さすがに100近い国々の首脳陣だけあり、警護や付き人の数もすごい。それに、やはり遠くから見ても迫力やオーラが違う。
愛馬ファルコに跨るアスター王子とともに、アクアに跨り庭園の敷地へ入る。
ブルッと身体が震えるけど…これは、武者震いだ。
(キルシェ様と会うのは久しぶりだ……それに)
やっと、わたしが認められるんだ。
騎士を目指し、王妃を目指すわたしが。
自分自身が今まで歩んできた、そして歩いていく道が間違っていないのだと。
それは、わたしにはとても嬉しいこと。
自信を持っていいんだ、と世界に胸を張って言われたようで。