佐藤 VS 佐藤


「…分担、どうすんの。」


少しの沈黙の後、聞こえてきた言葉で、あたしを呼びとめた理由がわかった。

各場所の中でも、分担箇所があり、それは各々で決めることになっている。
うちのクラスがやる神社も、建物内、正面、石段、裏手…など、いくつかの場所に分けなければならなくて。


明日のロングホームルームで決めてもらうためにも、人数配分だけは今日中に決める必要があった。


「あぁ…、うん。今から教室行ってやろうかなって思ってるけど…。
でも、帰っていいよ?あたし、やっとくし。」



委員会みたいにたくさん人がいるならまだしも、2人きりとか気まずすぎるから。
…やっぱり、好きにはなれないし。
(今日は少しだけ見直したりもしたけど)


どうせ、もう部活に出るにも中途半端な時間だし、学校で済ませて帰るつもりだった。











「…俺も行く。」




予想外の言葉に、一瞬 息が止まった。


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