佐藤 VS 佐藤
え…?
今何て言った…?
「…や、いいよ?めんどうでしょ?
代理なんだし、最低限のことだけやってくれれば…」
「なに、邪魔なの?」
あからさまに不機嫌な声がして、慌てて首を横に振った。
「違う違う!そんなことはないけどっ!!」
…うん。
ほんとは、ちょっと思った。
(もちろん、絶対にそんなこと言えない)
「なら、行く。」
あぁ…もう。
あたしが返事をする前に、アイツはあたしの腕を掴んで歩き始めた。
大きくて熱い その手は、あの頃とは全く違っていて。
後ろから見た背中も、広くて。
昔とは違うんだと、思い知らされた。