佐藤 VS 佐藤


「れんー?おーきーてー!」

「んー…?」


目が覚めたら、もうお昼休みだった。
起きた時、朝のホームルームで起きた最悪の事態が夢であってくれることを願ったけど、現実は甘くない。


「ほら、早くお昼食べよ?」

「あぁ…うん。」


起こしに来てくれた友達は、他の女の子がいる方に向かいながら、「れん起きたよー」と大声をあげる。

実は うちのクラスは理系クラスで、女子が9人しかいない。
だから、そのうち7人はいつも一緒にごはんを食べているのだ。
(ちなみに、残り2人は彼氏と。)


「ごめんごめん。」

「今日もよく寝てたねー。」


笑いながらお弁当を広げる友達の横に座り、自分の昼食を取り出す。
今日の昼食は、朝コンビニで買ったパン3つ。
チョココロネと、焼きそばパンと、メロンパン。


いただきます、と呟いて袋を開ける。

あたしは、好きなものは最後に食べるタイプ。
大好物のメロンパンは後回しにして、チョココロネに齧りついた。


< 6 / 37 >

この作品をシェア

pagetop