出逢うべくして。You’re the one for me...
〜*伊吹side*〜
ハンバーグ定食事件以来、俺は頻繁に社食に行くようになった。
いつも佐藤さんを探してしまう。
って言ったらストーカー見たいかな?笑
キッチンにいる時と、カフェテリアから見える作業部屋?にいるときがあって勤務時間も色々みたいだから毎日会えるわけじゃない。
でも、仕事の合間に時間を見つけては気づいたら食堂に向かってた。佐藤さんのこと少しでも知りたくて。
この間、俺らの会社の佐奈田チーフが佐藤さんと話しているところを見かけた。
「佐奈田さんお久しぶりですね!」
「佐藤ちゃん!最近忙しくてやっとこれたんだよ。
相変わらず賑わってるね。さすがだね〜!」
「おかげさまで。今日は何にします??また新しいメニュー考えてみてるんですけど、試食していただけないですか??これもつけときますから!ぜひお願いしま〜す!!!」
「いいの?やっぱり佐藤ちゃん勢いが良いね!話してると元気が出るよ!」
佐奈田チーフのあんな表情を見たのは初めてだ。
俺らのイメージは厳格で滅多に笑わないおじさん。
そんなチーフの楽しそうな表情を引き出せる佐藤さんって何者だ。
2人のやり取りを見かけたとき心底驚いた。
そしてまたあくる日、ふと小腹が空いて夜10時頃食堂へ。
利用客はもうほとんどおらずキッチンのスタッフも片付け作業をしていて、軽食が残っている程度だった。
サンドイッチをとって1人カフェテリアに座った。
今日撮ったリハーサルのダンス動画を見ながら食べる。
静かなフロアに扉が閉まる音が響いた。
音のする方を見ると、いた...佐藤さんだ。
キッチン内のスタッフに佐藤さんが声をかける。
「終わりそうですか?」
「うん、もうほとんど終わってるから大丈夫よ〜!」
「今日は夕方もバタバタして大変でしたね〜」
「今日もすぐ気づいて手伝ってくれたからほんと助かったわ!!最近、忙しいのよ。でもみんな美味しそうに食べてくれるし、作りがいがある〜!仕事楽しくなったよねってみんな言ってるのよ!きっとあなたが来たおかげね。」
「そんな言ってもらえて、泣きそうです〜笑 絶対前よりも作業大変になったのに、皆さんが食べてくれる人を思って快く引き受けてくださったお陰でこの結果が出てると思うんです。いつもありがとうございます!」