出逢うべくして。You’re the one for me...
気になる人
あれからあの彼が目につくようになった。
彼も覚えてくれているのか私がキッチンに入っているときはお互い軽く会釈する程度だけど。
私達の勤務は2交代制になっていて、私も朝からお昼過ぎまでとお昼過ぎから夜までと両方入っているけどどっちの時間帯に入ってても見かける気がする、、、
やっぱり芸能事務所のスタッフさんは本当に不規則な生活をしてるんだな。
今日は遅番。14時から出勤して1時間たった頃、
あの彼が来た。
メニューチケットを受け取ると、
「あ、ハンバーグ定食。」
この間食べられなかったハンバーグ定食。
つい声に出してしまった。
「そうなんです。食べてみようと思って笑」
「その節はありがとうございました。是非食べて頂きたかったので!!楽しみにしててください!」
「楽しみに待ってます!」
キッチンスタッフにメニューを伝えて私はサイドメニューの準備に取り掛かる。
お昼のピークは過ぎほかにお客さんもほとんどいないのですぐ提供できそうだ。
「最近ここで働かれるようになったんですよね?
佐藤さん。」
「あ、え?何で名前?」
「そこ。佐藤さん?でしょ?」
指差す先は私のエプロンの名前プレート。
「そうです。佐藤です!」
「みんな噂してましたよ。最近社食がすごい美味しくなったって。新しい栄養士さんが来てメニューも色々変わって人気だって。それで俺も食べに来たらはまってしまって笑」
「ほんとですか??それは最高の褒め言葉です!
芸能事務所の方ってとってもお忙しいお仕事だから食事の時間は楽しんでもらいたいんですよね。喜んでもらえてるなら異動してきた甲斐があります!」