シンデレラには····程遠い••その後
***美也子①
目を······開く·····と·····
ここは?·····どこ?·····
私は·····
あっ、男性に······
目を動かす·····ベッド?······
まさか!あの男の部屋?!
と、思い慌てて起き上がると······
ベッドに頭を置いて寝ていただろう
男性が·····頭を上げる。
「·····えっ······
「久しぶりだね?美也子。」
「かい····藤堂君?!」
「藤堂君ね。まぁ、いいや。
どこも痛い所はない?」
「えっ、ええ、多分」
「それは、良かった。」
「藤堂君が、助けてくれたの?」
「ああ、たまたまね。」
「·····あっ·······ありがとう。」
「弁護士として当然の事をしただけ。
病院?と思ったけど
二階堂さんは、病院は嫌かもと。
行ける様でしたら
病院を受診して下さい。
警察に届けるなら
事情は、話します。」
と、淡々と話す快斗に
自分がやった事で
どれだけ、彼が傷ついたのかが
わかる。
何年·····たったと··しても·····
だから·····
「いえ。警察へも、病院へも
行きません。
助けて頂いてありがとうございます。」
と、言うとベッドから床に足を
下ろした。
「送る?ああ、嫌だよね。
俺に住まいがバレるのは?」
と、言う快斗に
カーテンの隙間から明るさが見えるから
「ありがとうございます。
昨夜で用事は済みましたから
自分で帰ります。」
と、伝えると
「あっ、そう。
玄関は、そこを出て真っ直ぐだよ。」
と、言う快斗に
「本当にありがとう。
眠れなかったでしょ?
ごめんなさい。」
と、言うと手で髪の毛を簡単に直して
玄関に向かう。
玄関脇に私の鞄
靴は、玄関に揃えられていた。
靴を履いて振り返るが
快斗の姿は、無く
頭だけを下げてから玄関をでた。