シンデレラには····程遠い••その後
潤と大学入学の手続きに学生課へ行った時·····
日本人形のような顔をしている
美也子に俺は、目を奪われた。
ひとめぼれだ。
それからは、学生課に毎日通い
気持ちを何度も伝えた。
幾度目かの時に
美也子が既婚者であることを知った。
だけど、諦める事ができなかった。
俺は、この容姿で
今までモテてきた。
自分から告白をする事なんて、
一度もなかった。
生まれて初めて自分から
好きになった人だったから
どうしたら良いのか
分からずに暴走しそうになり
潤が止めてくれた。
朝、大学に行き学生課へ
美也子の顔を見る。
昼は、食べる物を買って
美也子は、いつも一人で
中庭のベンチで食べているから
中庭で食べる。
潤も一緒だったり
一人だったり。
夕方は、また、学生課へと行き
美也子を見てから勉強をする。
美也子の仕事は、17時までだから。
俺の一日が、美也子を中心に
動いていた。
そんな日々の中
いつもバレッタで軽く上げている
髪を下ろしてメガネとマスクを
して大学に出勤してきた美也子に
「今日は、どうしたのですか?」
「あっ、藤堂君。
おはようございます。」
「おはよう ございます。」
「夜、涙物の本を読んで。」
と、苦しい言い訳をする美也子に
「なんでも言って。
力になりたい。」
と、言うが
「大丈夫よ。私は大丈夫だから。」
と、言う美也子。
だが······
フラっと倒れる所を抱き止めた。
美也子の身体は熱く
熱を持っていた為
学生課の人に声をかけて
養護室へと運んだ。
養護室の先生である
エマ( Emma )先生(40才・女性)は、
驚いていたが
「藤堂君、下ろして。」
と、言うから
そっとベッドにおろすと
カーテンの外に出るように言われた。
美也子は、夫であるリアム( Liam )
からDVを受けていた。
養護のエマ先生曰く
美也子は、かなりの重症
あちこち折れているかもしれない
と、いう事で
「学生課のリーダーに連絡して
病院へと運ぶ」
と、言ったから
「俺も。」
と、言ったが
「これは、デリケートな問題だから、
関係者以外は入れないし、
教えて貰えない。
私が必ず教えられる事は伝えるから。
それで良い?」
と、言われて
なんの力もない
俺は、エマ先生に従うしかなく
連絡先を伝えて養護室を後にした。
「快斗?!どうした?」
と、言う潤に
今朝の話しをした。
潤は、俺に取って
絶対的な存在だ。
信頼できる。
兄貴も、そうだ。
潤に
「連絡を待つしかないな。」
と、言われた。