シンデレラには····程遠い••その後
快斗は、時間が許す限り
美也子のそばにいた。
潤も一緒だったり
エマ先生が一緒だったり
していたが·······
もちろん、何度も····何度も···
気持ちを伝えて
少しずつ
美也子自身も
受けいれ初めて
初めての恋人
初めて愛した人に
浮かれていた快斗には
美也子以外見えていなかった。
大学二年、三年と
二人の付き合いも進み
三年の時には
兄、絢斗にも紹介した。
年上だろうが
兄は、人としてきちんと
見てくれる人だから
心配していなかった。
「兄の絢斗です。
快斗が、ご迷惑をおかけして
いませんか?」と。
「いいえ。入院している時にも
アレンジメントの花を
送って頂いて当時
どれだけ救われたか
わかりません。
ですが、彼は若く今からの子です。
私なんかが····と、思っています。」
と、言う美也子に
「俺が、美也子じゃないと
だめだんだ。」
と、言う快斗
絢斗は半ば呆れながら
「わかっている。」
と、言い
「困った事とかありましたら
いつでもご連絡下さい。」
と、言って名刺を渡していた。
四年になるくらいから
美也子から表情がなくなって行った。
快斗は、何度も訊ねた。
「心配事があるなら話して」
と、だが美也子は、
「大丈夫。」
「なんでもない。」
「疲れているだけ。」
だと、言う。
話せるようになったら
きっと話してくれる
それまで待とう
と、その時 俺は安易に考えていた。
それが、大きな間違いだったと
後になってわかる。