シンデレラには····程遠い••その後
快斗の過去②
大学の試験中は、勉強に専念する事を
美也子と約束をしている為
この一週間は会えずにいた。
美也子が喜ぶかなと思い
花束と美也子の好きなケーキを
買って美也子のマンションへ
そこに絶望が待っているとも
知らずに·······
美也子のマンションの玄関には
貸部屋の貼紙と
水道電気の入居の紙がはまっていた。
頭がパニックになり
落ち着け、落ち着けと何度も
自分に言い聞かせ
美也子の携帯を鳴らす
ラインもメールも
何度も······
エマ先生に連絡をしたが
エマ先生は、直に学生課に訊ねて
くれた。
美也子は、ハーバード大学の
事務を退職していた。
理由は、教えて貰えなかったらしく
俺は、打ちひしがれてしまった。
いったい····何が···あって·····
どうして?······
いつから···考えて····いたのだろうか····
相談すら·····してもらえない
そんなに···頼りない···のか······
その場に座り込んでいた俺に
エマ先生から連絡を受けた
潤がやってきて
「なに?どうなってるの?」
と、騒いでいたが
「快斗!!帰るよ。」
と、言う潤に首を横に振る
探し用が····ない······
無理矢理 潤に立たされて
引きづられるようにして
潤の車に乗せられて
マンションへ連れて帰られた。
潤と俺は、同じマンションの
隣り同士だ。
部屋に入りソファーに
座らせられて
花束は、ぐちゃぐちゃ
ケーキの箱も原形はなかった。
潤が申し訳無さそうに
「快斗、廃棄するよ。」
と、言った。
俺は、ソファーに座ったまま
動けなかった。
潤が、周りの事をやりながら
食事の準備をしてくれたり
ちゃんと水分とらないと
って、騒いでいたが
耳から耳へと抜けて行く······
何日·····過ぎたのか····
潤が、泣きながら
「快斗。頼むから
食べて。飲んで。
ちょっとで、いいから。」
と、言っているみたい·····だが······
うっすらと聞こえている?
幻聴だろう·····?··か···
段々と目が閉じられていく
瞼が···重い·····っ······
これで····楽に···なる?·····
何····から?····っ·····
もう····全て·····終わった···?····
俺は、意識を失くした。
俺が目を覚ましたのは、
倒れてから二ヶ月後だった。
目が覚めた俺は
美也子の事を忘れてしまっていた。
多分、心が均等を保つのに
辛い、苦しい物を排除したのでは
ないかと
後に聞かされた。
目覚めた時に
兄の顔が見た。
横には潤がいて
泣きそうな顔をしていて
「良かった。良かった。」
と、言っていた。
訊けば、
倒れて二ヶ月意識が戻らなくて
心配したと。
なぜ、そうなったのか?
俺は、食べず、飲まずにいたらしい
脱水症状を通り越して
命が危険だったと。
自分で食べて、飲んでができるまで
更にひと月かかった。
簡単に食べれると
思っていたが、人間の体は複雑だ。
完全に回復して退院する時に
兄から
大学の単位も全て取れていて
大学院に行くように言われた。
潤は、大学の卒業を待つだけだから
兄の秘書として兄に付く
俺も院に行きながら
兄の会社の仕事を覚える。
何か抜け落ちているように
思うが·····
弁護士になる為の勉強と
会社の仕事の覚える事で
余裕がなかった。
全ては、
藤堂・クラーク・絢斗が
そう、差し向けていた。