私を愛するその人は、私の向こうに別の女(ひと)を見る
その本を開いた瞬間、ゾワッとした。
それは、アルバムだった。
どこか瑞斗さんの面影の残る、制服姿の男の子と、その隣で微笑む、どこか私に似た女の子。
髪の長さも、ポニーテールに結んだところも、私と同じだった。
きっと、この人が“アリサ”さん……。
驚くくらいに私に似ていて、胸がモヤモヤした。
そのモヤモヤは私の部屋中で黒い渦になり、そのまま徐々に込み上げてくる。そしてそれは、私の中から涙になってこぼれ落ちた。
アルバムにぽたりとその雫が垂れて、慌ててパタリとそれを閉じて本棚に戻した。
最初から分かっていたことだ。
だけど、心のどこかで期待していた。
もしかしたら、瑞斗さんが好きなのは、愛しているのは、私自身なんじゃないかって。
けれど、違った。
これを見て、まだその可能性を期待できるほど、私の脳はお気楽にはできていない。
亡くなった“アリサ”さんに重ねられた私。
私は、どんなに私でいたって、彼にとっては“アリサ”さんなんだ。
私は溢れた涙が止まらなくなって、もうこの恋を忘れようと、そっと書斎を出た。
それは、アルバムだった。
どこか瑞斗さんの面影の残る、制服姿の男の子と、その隣で微笑む、どこか私に似た女の子。
髪の長さも、ポニーテールに結んだところも、私と同じだった。
きっと、この人が“アリサ”さん……。
驚くくらいに私に似ていて、胸がモヤモヤした。
そのモヤモヤは私の部屋中で黒い渦になり、そのまま徐々に込み上げてくる。そしてそれは、私の中から涙になってこぼれ落ちた。
アルバムにぽたりとその雫が垂れて、慌ててパタリとそれを閉じて本棚に戻した。
最初から分かっていたことだ。
だけど、心のどこかで期待していた。
もしかしたら、瑞斗さんが好きなのは、愛しているのは、私自身なんじゃないかって。
けれど、違った。
これを見て、まだその可能性を期待できるほど、私の脳はお気楽にはできていない。
亡くなった“アリサ”さんに重ねられた私。
私は、どんなに私でいたって、彼にとっては“アリサ”さんなんだ。
私は溢れた涙が止まらなくなって、もうこの恋を忘れようと、そっと書斎を出た。