私を愛するその人は、私の向こうに別の女(ひと)を見る
瑞斗さんは、今度は目をそらさずに私に離し続けた。
「紗佳のそばにいるのは僕じゃなきゃ嫌だ、って思った。紗佳を守るのは、僕じゃなきゃ嫌だって思った。だから、強引だったけど、一緒に住んだし、毎日一緒に通勤してる」
「瑞斗さん……」
「僕はね、ずっと紗佳のそばにいたいんだよ。本当は、昨日だって、僕がいない間になにかあったらどうしようって、心配で仕方なかった。……帰ってきたら、紗佳元気ないし、僕も紗佳充電したかったから、くっついたりしたんだけど」
一度言葉に詰まった瑞斗さんは、窓の方に一度目を向けた。
「ひとりにしてって言われて、頑張ってガマンした。……こんな気持ち、妹だって思ったら持たないでしょ」
徐々に小さくなっていく声。
その横顔は、ほんのり赤く染まっている。
「瑞斗さん、あたし……」
謝ろうとしたけれど、言えなかった。
こちらを向いた彼の顔が、大好きな笑顔だったから。
「僕は、紗佳が好きなんだよ」
私を泣かせるには、それで充分だった。
ぶわっと溢れた涙が、両頬を濡らした。
私が、好き。
“小豆沢紗佳”が、好き。
それだけで、こんなに胸が満たされるなんて。
「ごめ……な……さい……あたし……」
ひっくひっくと喉がなって、上手く話せない。
けれど、私も伝えたい。
「私……も……好き、です……」
うまく発音できないけれど、泣きながらそう紡いだ。
この気持ちを、どうしても伝えたかった。
今まで一度も、紡げなかったから。
「紗佳……大好き」
彼はそう言うと立ち上がり、私の隣にくると、背を丸め泣き続ける私の背を、優しく何度も撫でてくれた。
「紗佳のそばにいるのは僕じゃなきゃ嫌だ、って思った。紗佳を守るのは、僕じゃなきゃ嫌だって思った。だから、強引だったけど、一緒に住んだし、毎日一緒に通勤してる」
「瑞斗さん……」
「僕はね、ずっと紗佳のそばにいたいんだよ。本当は、昨日だって、僕がいない間になにかあったらどうしようって、心配で仕方なかった。……帰ってきたら、紗佳元気ないし、僕も紗佳充電したかったから、くっついたりしたんだけど」
一度言葉に詰まった瑞斗さんは、窓の方に一度目を向けた。
「ひとりにしてって言われて、頑張ってガマンした。……こんな気持ち、妹だって思ったら持たないでしょ」
徐々に小さくなっていく声。
その横顔は、ほんのり赤く染まっている。
「瑞斗さん、あたし……」
謝ろうとしたけれど、言えなかった。
こちらを向いた彼の顔が、大好きな笑顔だったから。
「僕は、紗佳が好きなんだよ」
私を泣かせるには、それで充分だった。
ぶわっと溢れた涙が、両頬を濡らした。
私が、好き。
“小豆沢紗佳”が、好き。
それだけで、こんなに胸が満たされるなんて。
「ごめ……な……さい……あたし……」
ひっくひっくと喉がなって、上手く話せない。
けれど、私も伝えたい。
「私……も……好き、です……」
うまく発音できないけれど、泣きながらそう紡いだ。
この気持ちを、どうしても伝えたかった。
今まで一度も、紡げなかったから。
「紗佳……大好き」
彼はそう言うと立ち上がり、私の隣にくると、背を丸め泣き続ける私の背を、優しく何度も撫でてくれた。