狂おしいくらいの激情を…貴女に
「……/////」
「何食べる?」

メニューを渡し言った、郡至。

「迷うなぁ~」
メニューを見つめている青蘭を、郡至はただ見つめていた。

「よし!これにする!
クリームスープパスタ!」
「ん。俺も同じの」


注文し外を眺めていると、郡至が言った。
「青蘭」
「ん?」

「これ、受け取って?」
小さな箱を差し出す。

「え………」

「さっきも言ったように、少しずつ俺だけを好きになってほしいって思ってる。
でも、ちゃんと俺の気持ちは受け取ってほしい!」

「………うん…」
郡至は箱から指輪を取ると、青蘭の左手を取った。
無意識に手が強張る。

「………」
「………」

「……青蘭」
「は、はい!」

「本当は、今すぐに薬指にはめたい。
青蘭は俺のモノって、見せつけたい!
………………でも━━━━」
郡至は、ポケットからチェーンネックレスを出した。

「郡ちゃん?」
「きっと……青蘭は“まだ”つけたくないだろうから、こうやって……」
郡至は、指輪をチェーンネックレスに通し青蘭の首につけた。

「俺のモノになった時に、薬指につけて?」

「いいの?」
「いいよ」

青蘭は、指輪を両手で包み込むように握りしめて郡至を見据えた。

「郡ちゃん」
「ん?」

「ちゃんと、ケジメつけるから!」
「うん!」

「だから、もう少しだけ待ってて!」
「うん!わかった!」


ランチを済ませ、海に出た二人。
ゆっくり、浜辺を歩く。
「青蘭、寒くない?」
「少し冷えるけど、大丈夫!」

「じゃあ…はい!」
郡至はコートのボタンを開け、コートを広げた。

「中においで?」
「え?」
「俺のコートの中。
温かいよ!」

「……/////」
「ほら!早く!
なんか…こうやってると、変態みたいだから(笑)」

青蘭はゆっくり郡至の胸にコツンと額をくっつけた。
郡至がコートで、青蘭を包み込む。

「温かい…」
「だろ?
…………フフ…てか(笑)
青蘭、コートん中すっぽりだな(笑)」


それから、宝来邸に向かった。
玄関を開けると、絋琉が立っていた。

「お嬢様、お帰りなさいませ!」
微笑む絋琉。

絋琉を見上げる青蘭。
「………」
「お嬢様?」
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