狂おしいくらいの激情を…貴女に
「青蘭~こっちー!」
陽香が手を振り呼んでいる。

「充城、じゃあね!」
「はい」


陽香の元へ向かう。
郡至もいて、腰を抱かれた。

「青蘭、ヤバいよ/////
スッゴい、綺麗…////惚れ直した!/////」

「ありがとう!」

「ほんと、ヤバいわね!青蘭」

青蘭と郡至は、財閥の中でも別格でトップクラスだ。
とても目立っていて、周りの成人式の出席者達にも注目されていた。

「綺麗だよなぁー////」
「一緒に、写真撮ってくんねぇかなー
………なんて(笑)」


その様子を絋琉は見つめる。

あの輪の中に入りたい━━━━━

いや、違う!
お嬢様を、連れ去りたい━━━━━!!

どうしても、嫉妬してしまう。


“今日の夜、みんなが寝静まってから私の部屋に来て”
「何なんだ?」
ふと、先程の青蘭の言葉を思いだし呟いた。

理由は、全くわからない。
でも、青蘭と二人っきりになれる。

絋琉は嫉妬心を忘れるくらい、まるで子どもようにウキウキしていた。


式が終わり、青蘭達はみんなで食事をしようということになった。

「お嬢様、お疲れ様です。どうぞ?」
車を停め、待っていた絋琉。
後部座席のドアを開けた。

「あ、充城!
俺も乗せて」
「は?」

「みんなで、お食事しよってことになったの。
充城、お願い!
郡ちゃんと、陽ちゃんも乗せて?」

「そうなんですね!
かしこまりました!
では郡至様は、助手席にどうぞ?」

「は?
陽香が助手席に乗るから。
俺は、青蘭の隣!
青蘭、隣乗るね~」
「うん」

絋琉は、運転をしながら後ろが気になってしかたがない。

「郡ちゃん、あんま見ないで?/////
恥ずかしい…//////」
「だってー、可愛いんだもん!」

「………////」
「はぁ…/////ほんと、可愛い/////」

「もう////」
郡至は、横目で絋琉を見て青蘭に言った。

「あ、そうだ!
指輪、どうしてる?
ちゃんと、首につけてくれてる?」
「え?あ、うん」

「見せて?」
「うん」
着物の中に入れていた指輪を出した。

「フフ…ちゃんと、つけてくれてるんだ!」
「うん。約束だし」
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