狂おしいくらいの激情を…貴女に
「お嬢様。
大学、退学しませんか?」

「え?」

「それでね!
━━━━━これ!」
ソファに座り、足の間に青蘭を座らせて後ろから抱き締めていた絋琉。

後ろから青蘭の目の前に、小さな箱を出した。

「え?これ……」
「俺のお嫁さんになってください、お嬢様」

「え?え?で、でも……
お祖父様達が……」

「大丈夫です。
これからは、堂々と婚約者としてあの屋敷で過ごせますからね!
あ、いや、違うな!
“夫婦として”だな!」

「郡ちゃん…は?
お祖父様は、郡ちゃんと結婚しろって」

「お嬢様にはまだお伝えしてなかったんですが、郡至様から“結婚破棄”の連絡が入ってます。
お伝えするのが、遅くなってすみません。
お嬢様を傷つけるから、しばらく黙ってようと言うことになったんです」
「え……どうして?」

「お嬢様が、俺を愛してるから。
郡至様が、身を引いてくれたんですよ?」

「………」
青蘭が、落ち込んだように項垂れた。

「お嬢様?」
「私は結局……郡ちゃんを傷つけただけだった……
ごめん…なさ……ごめんなさい…」
そして涙を流し、何度も謝罪の言葉を繰り返した。

「…………お嬢様」
「………」
「俺を見てください」

振り返り見上げる。
「貴女は悪くない」

「充城…」

「お嬢様は、ご自分のお気持ちに正直になっただけ。
想いを無視して一緒になる方が、よっぽど失礼です」

「そうだけど……」

「だからね……
貴女は、何も……悪くない……」
ゆっくり絋琉の顔が近づき、口唇が重なった。


「んん…」
「ん…最近お嬢様、キスが上手くなりましたね……」

「え…そう…?」
「はい…だって……ずっと口唇をくっつけていたいくらいに、気持ちいいから……!」

そして、また重なる━━━━━━

「んん…もっと……もっと…しよ?お嬢様…」

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